2023年初級登山学校 修了山行その2/南アルプス(仙丈岳・甲斐駒ヶ岳)
4月に開校、座学、歩行訓練に始まり7月の最終実技まで様々な事を教わりました。その成果を確認するため、生徒が自ら計画し、実践する山行です。今回は南アルプスの仙丈岳、甲斐駒ヶ岳に挑戦しました。
■行程:2023/9/22(金)-9/24(日)
・9/22(金) 22:00 4台の車に分乗して出発
・9/23(土)仙流荘5:30→6:15北沢峠(🚍)→幕営⛺
北沢峠7:30→馬の背ヒュッテ10:00→仙丈岳11:45🏔
→小仙丈岳13:00→北沢峠 15:15
・9/24(日)北沢峠5:30→駒津峰8:20→甲斐駒ケ岳
9:45🏔→駒津峰11:45→仙水峠13:15→北沢峠14:20→撤収⛺
→北沢峠15:15→仙流荘16:00(🚍)→大阪22:00
■参加者:講師3名、生徒10名
◇Day1〜仙丈ヶ岳
朝3時すぎに仙流荘の駐車場に到着後。バス待ちと車中で少し仮眠を取れたかどうかという状態ですが、初めての南アルプス、期待に胸が膨らみます。北沢峠にベースキャンプ設営後、サブザックに雨具、ヘッドライト、水分、行動食を入れて出発しました。
少し靄のかかった樹林帯、足元の岩は苔生していて、北アルプスとは違う趣きがあります。寝不足と高度で息は上がりますが、山頂目指して頑張ります。出発前の予報を覆して晴れ、高度が上がるに従い雄大な山々が姿を現します。「ああ、この景色が見たいから、しんどいけどまた登りたくなるんだ。」と改めて実感しました。アルプスでは早くも紅葉が始まっていて、ナナカマドが真っ赤な実をつけて綺麗でした。仙丈岳の山頂はあいにくのガスでしたか、みんな大満足。満面の笑みで記念撮影しました。
うんざりするほど長く気を使う下りでしたが、「事故は下山時に発生しやすい」と肝に命じながら慎重に降りました。(冷たいビールを励みに歩いてる人もいましたね。)下山後はお待ちかねの夕食タイム、それぞれが持ち寄った食材を料理して、全員で輪になって、美味しいお酒とお料理で楽しい時間を過ごしました。
◇Day2〜甲斐駒ヶ岳
昨日は寝不足と疲れでみんなぐっすりと眠れたようで、朝5時半から甲斐駒ヶ岳に向けて元気に出発しました。鎖場、岩場の多い険しい山ですので、ヘルメットを着用し、ザレ場の下りに備えてトレッキングポールもサブザックに入れました。急登が続き心が折れそうになりましたが、鎖場、岩場では、登山学校の岩場通過訓練での「三点確保、鎖は両手で持たない」の教えを思い出しながら慎重に登りました。昨日を上回る晴天で、駒津峰、甲斐駒ヶ岳の山頂では360度のパノラマを見ることが出来ました。昨日登った仙丈岳が間近に迫り、その後ろに北岳、間ノ岳が見えました。鳳凰三山の後方には富士山、反対側には御嶽山、木曽駒ヶ岳、八ヶ岳、更に遠くには北アルプスの槍ヶ岳も見え、次はどの山に登ろうかなとワクワクしました。
駒ケ岳神社本宮にお参りした後、下山を開始しました。転んだらどこまでも滑り落ちそうなザレ場を慎重に下り、駒津峰を過ぎた辺りで生徒の一人が「おーい」と助けを呼ぶ声に気付きました。道迷いの遭難と言うことで、何とか警察に救助要請をすることが出来ました。その後、私達は全員、怪我や体調不良もなく無事に下山しましたが、ヘリコプターによる捜索の様子を目撃し、山の恐ろしさについて考えさせられました。(その後無事救助されたと、夕方警察から連絡がありました)
下山後急いでテントを撤収し、バスに乗り込み、仙流荘に向かいました。4月に初めて顔を合わせてから約半年間、一緒に学んで、山での経験を積んで、協力するなかで絆が深まりました。この素晴らしい仲間とまた一緒に山に行ける日を楽しみに、これからも経験を積んで行きたいと思います。
最後になりますが、初級登山学校では多くの先輩方が貴重な時間を割いてご指導くださいましたこと、心から感謝しております。今後は卒業生として、少しでも豊中労山会のお役に立てればと考えております。
投稿:生徒Y