2022年初級登山学校 実技第6回 蓬莱峡岩登り

日程:2022年5月28日(土)~29日(日) 両日とも快晴
場所:蓬莱峡
参加者:講師・スタッフ 7名、生徒17名(うち29日から参加3名)、C班の皆さん 22名
行程:(1日目)宝塚駅バス停14:45→15:07バス乗車→15:20座頭谷下車→15:40蓬莱峡テント設営16:00~食事準備17:00~21:00就寝
(2日目)6:00起床→8:00行動開始→緩斜面での登下降練習→パーティーに分かれて岩場での登攀及びトップロープでの登攀練習(大屏風・小屏風)→登攀終了・反省会15:00→片付け・パッキング15:30→蓬莱峡発16:00→JR生瀬駅17:00 解散

5月19日のOCSでの事前練習を経て、いよいよ本格的な岩登り実技の日がやってきました。前泊して翌日の本番に備えます。1日目はテント設営とキャンプのみということで、夜の宴の準備をして、皆重い荷物を背負って宝塚駅バス停に集合しました。

蓬莱峡に到着後、各自テント設営。ようらく台園地でのデイキャンプ、金剛山に続き3回目ともあって、慣れた手つきで色とりどりのテントが設営されていきます。

そしてお待ちかねの今夜のメニューは以下のとおり。
1班:チャーハン、餃子、シュウマイ、揚げとなすの煮物、きゅうりとわかめの酢の物
2班:ほうとう鍋
3班:ラタトゥユ、蒸し鶏のマリネ、なすの揚げびたし、酢の物、煮卵

講師やスタッフの皆様にも入っていただき、楽しい夕食タイムになりました。

辺りも暗くなってきた頃には、小前校長の『スナックたまちゃん』が開店。お酒を飲みながら、皆様の労山に入会したきっかけや山に対する思い、プライベートなエピソードを聞いたりして、お互いの距離が縮まるような楽しい夜になりました。

翌朝は6:00起床。スタッフの皆様が朝食前にロープ張りの準備をしてくださり、生徒たちは緊張の面持ちで朝食づくり。緊張して眠れなかったり、朝食が喉を通らなかったりした人もいたのではないでしょうか。

いよいよ8:00から傾斜面での登下降練習開始。まずはフィックスロープに座学で習ったクレムハイストを使って自己確保します。結び目を引き上げながら斜面を登り、登り切ったら上での移動はカラビナスルーを教えていただきました。そのあとはもう一本のロープを使って降りました。屋内クライミングでの事前練習の成果か、傾斜が緩やかだったこともあり比較的スムーズに上り下りできました。

指導をしてくださるC班の皆様が集合され、10:00頃からいよいよパーティーに分かれて大屏風・小屏風での岩登り実技が始まりました。一同緊張の面持ちで説明を聞きます。

生徒1人に対し2人のスタッフさん・C班の先輩がついてくださり、丁寧にサポートしていただけます。不安な気持ちを胸に準備をして、私は先に大屏風に挑戦です。下から見上げると、とても登れる気がしない…足を掛けたり、手で掴んだりできそうな突起も極端に少ないように見えます。

まずはリードクライマーが岩壁に打ち込まれている支点にヌンチャク(=クイックドロー)でロープをかけながら進んでくださいます。するすると登って行かれる姿を下から眺めながら感心するばかり。下にスタンバイされたビレイヤーはクライマーに合わせてロープを出したり引いたりして最適な状況を保たれます。私達生徒は、上にセットしていただいたロープで引いていただきながらトップロープクライミングのスタイルで登っていきます。

「○○緑登ります」と下から声を掛けながらいよいよ登っていきます。次にどう進んだらよいか判らず途中で止まってしまったり、小さな突起に足を掛けたら体重を支え切れず、数メートル落ちてしまうこともありました。下を見ると恐怖心でくじけそうになりましたが、ロープを引いてC班の先輩方が「ナイス、ナイス!ガンバ!」と声を掛けながら、後ろからどう進めばよいかアドバイスいただけたことは本当に心の支えになりました。頂上に近づくほどその高さに恐怖でおののきなら、なんとか大屏風を登り切った時の達成感は格別のものでした。

各自軽くお昼を取り、後半はチームが入れ替わり、小屏風に挑戦です。
こちらは室内練習よりは難しいものの、OCSで教えてもらったことを思い出しながら3本のトップロープに従って、各自登っていきます。大屏風で度胸がついたせいか、少し楽しみながら登ることが出来ました。ここでも炎天下の中、下からロープを持ちながら、スタッフの皆様が丁寧なアドバイスや励ましの声を掛けてくださいました。

例年より倍ほど多い17名の生徒が安全に楽しく1日を終えられたのは、ひとえにサポートいただいた講師スタッフの皆様、C班の先輩方のお陰です。私自身は滅多にない貴重な体験をさせていただいたと思いましたが、ここから岩登りの楽しさに目覚める生徒もいるかもしれません。

一大イベントを終え、ホッと胸をなでおろした生徒一同でした。

(投稿 生徒 MS)