大杉谷へ登ってきた
A班山行 大杉谷から大台ケ原(桃ノ木山の家宿泊)
2019年10月26-27日 16名参加
写真と文:「孤高の変人」
今回は「孤高の変人」をお休みして、豊中労山のA班山行に参加させてもらい、三重県側から大杉谷~大台ケ原へ登ってきた。 一人では怖かったので、このコースとは無縁だったのだが、会報に計画があり心が動いた。ただ、申し込みまで躊躇した。長いことマイペースの山行、好きなところで休み、好きに歩く山行ばかりだったのと、また顔見知りの人も少なく、躊躇して日ばかり過ぎて、申し込んだときは定員を越えしていた。その後、バスに欠員があり、参加できることとなった。
鶴橋から近鉄、松阪からJR、三瀬谷からマイクロバスで登山口。2班に分けてストレッチもなしで歩き始める。ストレッチも無しは私の普段の出発の仕方と同じである。歩き始めてすぐに、岩を削った登山道で鎖を右手に持って歩く、大杉谷の定番歩きとなる。大杉谷を登る、というコースながら、鎖場のあとは川の水面近くまで下がったり、すぐに急登になったり、水平距離16km、高低差1,416m以上の運動量となりそうだ。大日嵓などは気が付かずに通り過ぎ、最初の見どころ「千尋滝」のあずまやに着く。ここでおにぎりを食べて、エネルギーを補給する。
それにしても、そうとう上の方からすごい水量である。本流でなく支流からの流れなので、大杉谷全体の降雨量は「一年の内、400日以上、雨が降る」と言われるのも、納得ができる。本流は、やや濁りがあるが、渕はエメラルド色となっている。さらに歩くと「シシ渕」が見えてきた。大杉谷登山コースの前半のハイライトである。
全員が河原に降りて、この神秘的な景色の前で代わる代わる記念写真を撮る。もちろん、全員でも記念写真。何年ぶりだろう、多数で記念写真を撮ったのは。それどころか、夏山でも余り自分を撮らないので、大勢の中ではどんなポーズを撮っていいのか少し、恥ずかしい。
シシ渕から一時間半ほど歩き、吊り橋を渡った正面に桃ノ木山の家があった。この山小屋は労山のメンバーカードを提示すれば一割引きとなるとのこと。全員がメンバーカードを提出するが、私はそのカードを見た記憶がない。思い出してみると財布の中の診察券の間に、「JA〇〇カード」があったように思う。多分、JAFのロードサービスのカードと思っていたのが労山カードだった。二階の部屋に上がってザックを置きくつろぐ。ザックを置くところが広く、快適な部屋である。
夕食はカレーとトンカツ。もちろん、次の日の朝食ともども「お代り」である。
27日の朝、未明には星も出ていたそうだが、昨日と同じく薄曇り。今日は、高低差1,200m余を登る。昨日はなんとか離されずについてこられた。今日も置いていかれて、「爺捨て山」にならない ように歩いていきたい。
出発から歩きだして半時間ほどで七ツ釜の滝へ着く。二段の滝で、これが大杉谷のシンボルで日本の滝100選に選ばれているという。昨日のシシ渕もそうだが、晴れて青空であれば、どれほど素晴らしいか、あずまやから見てつくづくそう思う。まあ、大台山系で雨の中でないだけましと思わなければならない。
あずまやの裏から登る。小一時間で崩壊地へ。ここは2004年の大水害で山の斜面が大崩落。谷全体では七ツ釜吊り橋も流失したそうである。私もこの大水害で、奈良の五条や和歌山の那智で、土砂崩れで被災を受けた橋の復旧で忙しかったのを思い出した。大岩の横をすり抜け、登って下る。下へ転がって止まっている、大岩の割れた跡は新いというか色が変わっている。転げ落ちるさい、ほかの岩に当たり、あんな大きい岩が割れるというのはすごいエナルギーだ。
崩壊地を過ぎ、隠滝の吊り橋を渡り小一時間、堂倉吊り橋を渡って、さらに堂倉滝吊り橋で渡り返すと最後のハイライト堂倉滝に着く。一昨日の雨の濁りもほとんど改善され、エメラルド色の淵となっているが、やはり日差しがないのが残念である。
ここで、大杉谷の本流から分かれて山道に入る。パーティーのメンバーに遅れないようにと思っていたが、前の人と数m遅れてくる。心して早く歩いて、差を詰めるように心がける。十年前、まだマラソンをやっていたころは、地図のコースタイムより早く歩いていた。新入会員が「大学時代に「槍に登った」とか「テント泊をやっていた」という話を聞いて、「そんな昔の経験は屁のつっぱりにもなれへん」と言っていたものだ。いま、自分がそうである。
栗谷小屋に着く。小屋の看板をよく見れば「栗谷(くりたに)小屋」でなく「粟谷(あわたに)小屋」だった。 ここで、桃ノ木小屋の弁当を食べる。弁当の中身は「中華ちまき」。もち米の粘りと辛さ加減がバツグンでおいしかった。 それと、大阪から持ってきたおにぎりの最後の一つも食べる。これで、頂上までの燃料は十分である、と思う。
ここから、リーダーが私にプレッシャーをかけないように、また足の速い人たちは自分のペースで歩けるように、パーティー編成を変更してくれた。ありがたいけど少し傷ついた。ここまで、遅れても前の人が見えていたが、曲がり角で前の人は時々、見えなくなったが、日出ケ岳へ無事につく。駐車場までは下りで息を吹き返す。
今回、念願だった大杉谷の機会を与えてもらい、遅れて迷惑をかけた。リーダーを始めメンバーの皆さんに大感謝(Special thanks!!)です。
【コースタイム】 10月26日~27日 登山口12:15→千尋滝15:17/15:27→シシ渕15:10/15:25→平等嵓吊り橋17:02→桃ノ木小屋17:44/7:40→七ツ釜の滝8:12/8:19→崩壊地9:10→堂倉滝10:21/10:34→粟谷小屋(昼食)11:50/12:21→日出ケ滝14:31/14:42→駐車場15:20
写真と文「孤高の変人」
投稿 A班 恒吉